才色兼備の女神様・シタテルヒメ

シタテルヒメ

国譲りの使者を魅了するほど美しい女神、シタテルヒメ

シタテルヒメは大国主命(おおくにぬしのみこと)の娘で、地面に照り映え光り輝くほどの美しい女神だったといわれています。
また、農業や医療の技術に長けており、大国主命と力を合わせて出雲の国づくりに励んでいました。
そんなおり、出雲に国譲くにゆずりを迫るため、アマテラスは交渉人を派遣します。
最初に送り込んだアメノホヒは3年経っても連絡をよこさなかったため、次に送り込まれたのがアメノワカヒコ。
しかし彼もまたオオクニヌシの娘であるシタテルヒメに夢中になってしまい、ついに結婚し8年もの間アマテラスへの仕事を放棄してしまいます。

このことから、大事な使命を忘れさせるほどの魅力で恋愛成就のご神徳が考えられます。

兄の横暴とシタテルヒメの和歌

アマテラスの命に背いた夫のアメノワカヒコは、ついに処刑されてしまいます。葬儀に駆け付けた兄のアジスキタカヒコは、死んだアメノワカヒコとそっくりだったため、「死者が生き返った!」と勘違いされ親族にすがりつかれます。
「死者と間違えるとは何事か!」と怒り、葬儀をぶち壊したアジスキタカヒコ。その怒りながら去っていく兄にシタテルヒメは次のような和歌を詠んだのでした。

あめなるや 弟棚機おとたなばたの うながせる 玉の御統みすまるに 穴玉あなだまはや み谷 二渡ふたわたらす 阿治̪志貴日子根あじすきたかひこねの 神そ

天の上にいらっしゃるうら若き機織女はたおりめが首にかけている玉飾り。その玉飾りの穴の開いた玉が照り輝くように、2つの谷に渡って輝いているのはアジスキタカヒコという神なのです。


これは、去っていく兄を謡った歌で、アジスキタカヒコを称賛するかのような歌だそうです。
初めて和歌を詠んだのはスサノオであると記紀では言われていますが、シタテルヒメが詠んだ歌は「夷振(ひなぶり)」と呼ばれ、和歌の祖と言われています。

このことから、文芸上達のご神徳が考えられます。

シタテルヒメの原像は卑弥呼!?七夕の織姫様?

卑弥呼の原像をもとに、天上界ではアマテラス(天照)、下界ではシタテル(下照)ヒメとして記載したとの説もあえい、シタテルヒメは卑弥呼をより実像に近い形で記されたものとも解釈できるそうです。

また、七夕の織姫で、日本に機織りの技術をもたらした神の一族でした。
七夕の元は棚機(たなばた)で、神様に備える着物を織る機械のこと。乙女が着物を織り、棚に備えて神様をお迎えし、秋の豊作を祈る禊の行事です。
この着物を織る乙女がシタテルヒメで、前もって豊作をお祝いします。

このことから、前祝い・予祝(よしゅく)のご神徳が考えられます。

前祝いし、おめでたいことを実現する

未来の姿を先に喜び、祝うことで
現実を引き寄せることを「予祝(よしゅく)」。

あらかじめ期待する結果を模擬的に表現すると、そのとおりの結果が得られるという
俗信にもとづいて日本では古くから行われてます。

お花見も秋の豊作を先に祝って、
みなで祝杯をあげる、「予祝」という引き寄せの儀式だったそうです。

他人におめでたいことが起こった時に、自分のことのように喜ぶ。
ご利益の本質は「人の喜びを分かち合える自分になること」
自分のためだけでなく、人の為に願うことで、願いのパワーが強まります。

予祝の効果に気づいて、行った人は、奇跡と呼べるような引き寄せをしてます。


シタテルヒメ御利益

運命の恋をしたい人

天職をみつけたいひと

前祝いで願いを引き寄せたい人

に効果的です。


シタテルヒメの御利益をうけに、ぜひ会いにいってみましょう!

まつられている神社 下照姫神社(福岡市)、輝夜神社(壱岐市)、倭文神社(鳥取県)
ご利益🪙 良縁成就・子宝・安産、仕事開運、技芸上達
別名下光比売命、下照比売命、本名は高比売命(たかひめのみこと)

※参考文献
最強の神様100/ダイヤモンド社
HP:出雲大社の歩き方