愛し、愛される、愛の女神・クシナダヒメ

クシナダヒメ アイキャッチ画像
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愛し、愛される、愛の女神・クシナダヒメ

八岐大蛇ヤマタノオロチ伝承で、スサノオがオロチから救った姫がクシナダヒメです。
高天原では乱暴者のスサノオでしたが、地上に降り立ち、出雲の国で頭が8つある蛇の怪物・八岐大蛇(ヤマタノオロチ)と戦い、クシナダヒメが生贄になるところを助けます。

その名が「奇し稲田」と表されることから稲田の女神とされますが、スサノオが八岐大蛇に挑むとき、櫛に姿を変えたので、櫛を挿した女性、すなわち、巫女を意味したのではないかともいわれています。

クシナダヒメは島根県松江市の八重垣やえがき神社で、夫のスサノオや子孫のオオクニヌシと共に祭られています。
神社名の「八重垣」は、スサノオが詠んだ日本最古の和歌からきています。

【和歌】 八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣つくる その八重垣を
【読み】 やくもたつ いずもやえがき つまごみに やえがきつくる そのやえがきを
【意味】 雲が幾重にも湧く出雲の地で、妻との新居によい場所を見つけた。妻のために垣根を幾重にも造ろう。

クシナダヒメを妻に迎え、新居を出雲の地に定めた際に、詠んだ歌です。
夏なのでしょう。抜けるような青空に、幾重にも重なる白雲を前にして、丘の上に立った新婚夫婦の希望に満ちた表情がありありと浮かびます。

そして、クシナダヒメを愛しているのが分かりますね!
つまり、クシナダヒメは「愛される才能」があるヒメなのです。

また、クシナダヒメは「大和撫子やまとなでしこ」の語源とされ、「撫でるように大事に育てられた姫」で、クシナダヒメの親は、母のテナヅチ(手摩霊)、父のアシナヅチ(足摩霊)で「手足を撫でる」という意味を持っています。
旦那様だけじゃなく、両親にまで愛されてたんですね!

祭られている神社 廣峯神社、氷川神社、須佐神社、八重垣神社、須我神社、八坂神社、櫛田神社、六所神社など
ご利益❤ 家内安全、心身健全、良縁成就、五穀豊穣
別名櫛名田比売、奇稲田姫

※参考文献
日本の神様大図鑑/PHP研究所
最強の神様100/ダイヤモンド社