現存する最古の歴史書「古事記」
古事記は、日本の歴史を叙述したものとしては現存最古であり、日本を作った神さまの興味深いエピソードが書かれているのが「古事記」です。
「古事記」を読むと、神社にまつられている神さまのことが深く理解できます。
⛩『古事記』でわかる神さまのストーリー
「古事記」には神々がどのように誕生し、どんな力を持っているかなど、様々なエピソードが紹介されています。ですから、「古事記」を読むとその神社の御祭神のことが、より深く理解できるようになります。
「古事記」は日本最古の歴史書で日本誕生に関する神話や神武天皇から推古天皇までの歴代天皇一代記などが記されています。皇室や豪族の間で語りつがれてきた話が書かれています。
御祭神を理解してから神社に参拝
神社の御利益は御祭神のプロフィールに大きく関係しています。例えば、大国主命。試練を乗り越えて恋人と結ばれたと「古事記」に書かれていることから、縁結びに強く、大国主命を祀る出雲大社は良縁スポットと言われています。
ですから、神社に行くときには、御祭神を知っておくと、その神社はどんなご利益があるかわかるようになります。
❁日本列島とアマテラスの誕生
「国を完成させよ」と天上から命じられたイザナギとイザナミ夫婦は矛で海をかき回し、日本で最初に出来た島・オノゴロ島を造ります。島に降りたち、夫婦は島や多くの神々を生んでいき、日本列島が完成しました。ところが、イザナミは火の神を出産した時に亡くなり、黄泉の国(死者の国)に行ってしまいます。妻を忘れられないイザナギは、妻を取れ戻しに黄泉の国いったものの、イザナミは屍と化した醜い姿になっていて、ビックリします!驚いて逃げる夫をイザナミは追いかけます。
壮絶な夫婦バトルの末、夫イザナギは無事に黄泉の国から生還しました。穢れを祓うため、禊を行いました。
この禊によって、日本の神話で需要な神、アマテラスやスサノオ、ツクヨミが生れました。
❁最高神アマテラスと凶暴な神スサノオ
凶暴な性格で、父に反抗して追放されたスサノオは姉のアマテラスに会いに、神々が住む天上界を訪ねます。天上界の最高神アマテラスは「弟が攻めてきたのか」と疑いますが、スサノオは邪心がないことを証明。そこで、姉は弟に滞在を許します。しかし、スサノオの変わらない行動の悪さに怒ったアマテラスは天岩戸に籠ってしまい、天上界から光がなくなってしまいました。困った神々はアマテラスを岩戸の外に出して、光を取り戻そうと連日会議。
「岩戸の前で大騒ぎすれば、アマテラスが様子を伺おうと外にでてくるのでは?」と考え、岩の外で神々の歌や踊りが始まりました。
アマテラスが外を伺おうと扉を少し開けた瞬間、力の神・アメノタジカラオが扉を開き、アマテラスを引き出し、世界に光が戻りました。この事件でスサノオは天上界から追放されてしまいます。
その後、出雲の国に降り立ったスサノオは美しいクシナダヒメに出会います。ヒメは泣きながら、8つの頭と尾をもつ大蛇ヤマタノオロチに襲われていることを訴えるのです。スサノオはオロチを退治し、出雲に宮殿を建て、クシナダヒメを妻に迎え、仲良く暮らしました。
❁国造りと国譲り
オオクニヌシは八十神といわれる大勢の兄弟神がいて、いつもいじめられていました。兄弟神たちは因幡の国(いなばのくに)に住む美しい神・ヤガミヒメに求婚するために旅にでます。
オオクニヌシは彼らの荷物持ちとして同行。道中、毛皮を剥がされ八十神にいじめられた白ウサギを助けると、そのウサギは「ヒメはあなたを選ぶでしょう」と予言。そのとおりに結ばれます。怒った兄弟たちは、オオクニヌシを殺してしまいました。
しかし、オオクニヌシは母の力で麗しい男としてよみがえります。
母が言うには「兄弟たちに滅ぼされる前に根の国に逃げなさい」
逃亡先の根の国は死者のような場所で、出雲から移ったスサノオが住んでいました。そこで、スサノオから様々な試練が課せられますが、スサノオの娘スセリビメに救われます。二人は困難を乗り越えて結婚。根の国を出て、出雲の国を造りました。
さて、天上界ではアマテラスが地上界を平定しようとしていました。アマテラスは交渉役としてタケミカヅチを出雲へ送り込みます。彼はオオクニヌシの息子と力比べをして勝利。そこで、オオクニヌシは国を譲ることにしました。その交換条件として出雲に壮大な社殿=出雲大社が建てられ、オオクニヌシは出雲の神としてまつられたのでした。
※参考文献
御朱印でめぐる九州の神社 / ダイヤモンド社